ーコンセントを新しくするときには電気工事士に依頼すると良いー

住宅のコンセントが使いにくいと思い、交換したいと考えている人もいるでしょう。現在使用しているコンセントの固定が緩んできているときや、プラグが挿し込めないときには、コンセントから発火して火災が生じる危険もあるので、早めに交換することをおすすめします。

 

コンセントカバーを交換することはDIYでも可能ですが、コンセントの配線に関係する作業は電気工事士の資格を持った人が行う必要があります。コンセントの配線に触れるときに電気工事士の資格が必要なのは、漏電や感電の危険性があるからです。

 

この記事では、コンセントを交換するのに必要な資格や、電気工事士にコンセントの交換作業を依頼するメリットについて紹介します。

 

コンセントの交換を判断するポイント

コンセントを新しくすると、室内での生活が快適になるだけではなく、家族や住宅の安全を守ることにもなります。自宅のコンセントに問題が見られるときには、できる限り早く電気工事士に連絡して、新しくしてもらいましょう。

 

コンセントを製造するメーカーによると、コンセントの使用期限は10年と決められています。すでに住宅のコンセントを、10年以上使い続けているときには、安全性を考えて交換するほうが無難でしょう。

 

たとえ、使い始めてから10年経っていないときでも、コンセントの穴の部分やカバーが熱くなるときや、プラグが奥まで刺さらないとき、プラグの固定が甘く簡単に緩んでしまうとき、ほこりが全体に付いていて掃除しても汚れが落ちないときには、新しくすることをおすすめします。

 

問題は放っておかない

コンセントの問題を放っておくと、最悪のケースでは火災が起きる場合もあります。

 

すぐに気が付けば大きな事故にはなりませんが、対処が遅れると火が大きくなって、住宅全体に燃え広がるおそれもあります。コンセントから出た火によって、大きな火災を引き起こしたニュースを見ることもあるでしょう。家族や隣人の命を守るためにも、コンセントの問題は電気工事士に解決してもらうと良いでしょう。

 

コンセントが熱いときや、プラグがうまく固定できないときには、早めに電気工事士に確認してもらうことがおすすめです。まだ使用できるので問題ないと感じていても、危険なため、できる限り早く電気工事士に連絡することをおすすめします。

 

また、黒く焦げてしまったコンセントは、火災が起きる可能性が高いので、すぐに新しくすることをおすすめします。

 

コンセントを新しくするときに必要な資格

コンセントを交換するときには、電気工事士の資格が必要です。

 

電気工事士は自宅で使う電気設備や一般の電気の配線を行うときに必要な資格です。電気工事の知識やスキルを持つ人に与えられます。

 

毎年電気工事士の試験があり、合格した人にのみ電気工事士の資格が与えられます。電気工事士は、都道府県知事が発行する資格で、第一種電気工事士と第二種電気工事士に分かれています。ブレーカーを下げてからの電気工事は、電気工事士の資格を有している人が行うことになります。

 

コンセントは部屋の中に設置されており、電気が流れています。電化製品を使うときは、コンセントの穴にプラグを差し込み使用します。

 

通常は電気や配線を設置する作業は、電気工事士の資格がないとできません。コンセントの取り付けもその作業に含まれます。

 

電気が流れている場所の工事を行うことには、危険が伴うので電気のことを知らない人が作業をするのは危険です。漏電や感電が起きるケースもあるので、コンセントの交換は電気工事士に依頼すると良いでしょう。

 

一方でコンセントカバーを交換するときには、資格は必要ありません。

 

電気工事士に依頼すべき作業は、600ボルト以下で使う電化製品や接続器にケーブルを接続する工事や、変圧器の配線を接続する作業、電柱の取り付けや撤去、地中の電線を設置する作業などです。

 

コンセントカバーに関する作業はこのなかに含まれておらず、コンセント工事のなかでも、電気に触れる危険がない作業であれば電気工事士の資格を問われることはありません。

 

DIYでも可能な電気工事について

シーリングに照明を取り付ける作業や、電球の交換、延長コードの取り付け、コンセントカバーの交換、インターホンの設置、電化製品の電池を交換する作業などは、電気工事士の資格がない人でも行えます。

 

壁や床をDIYで新しくする人もいますが、電気工事に限っては僅かな範囲でしかDIYが認められていません。漏電や感電のおそれもあるので、資格を持たない人は電気配線が関係する電気工事は避けましょう。

 

たとえ自分でできる電気工事だとしても、十分に安全の対策を取ることが大切です。

 

動きやすい服装をするだけではなく、感電防止の絶縁手袋をはめることや、ヘルメットをかぶること、高い場所で作業するときには安全ベルトを身につけることを忘れないようにしましょう。わずかな作業でも、電気工事には漏電や感電の危険性が伴います。

 

海外に比べると日本の電圧は低めに設定されていますが、感電すれば心臓や脳などに影響が出るかもしれないので注意が必要です。

 

電気工事士がコンセントを新しくする流れ

コンセントを新しくするには資格が必要です。それではここで、作業の流れを見てみましょう。

 

まず新しくするコンセントの分電盤を見定めて、その部分のスイッチを切ります。安全のために作業が終わるまではスイッチを入れないほうが良いでしょう。

 

それから、コンセントカバーを取り外します。二重になっているプレートの間に、マイナスドライバーを挿しこみます。注意点として力を入れすぎると、カバーが割れてしまうおそれがあります。

 

コンセントカバーが外れたら、プラスドライバーで枠を外します。次に先端の狭いマイナスドライバーを使用して、電線を抜き出し、枠からコンセントを外します。枠とコンセントの間にマイナスドライバーを挿し込み、交換する部分を外します。

 

最後にマイナスドライバーを使用して、枠との間の外側から当ててねじります。もしも固定が甘く不安定であれば、右側のツメを強く押しましょう。コンセントの裏のゲージに電線をセットして奥まで押し込み、元の位置に戻せば作業は完了します。